当院では、処方等の提案をより充実させるため、がん化学療法を施行中の患者に「診察前面談」を実施しています。
[活動の概要]
・初回面談時は,治療のスケジュールや予想される有害事象とその対処法について説明
・2 回目以降は,前回の治療後に経験した有害事象について,その内容を確認するための面談を実施
・面談後は,患者から聴取した事柄を診療録に記録したうえで,記載した質問紙を直接医師に渡し,診察前に情報提供
・薬剤師が必要と判断した場合には、支持療法変更や検査の追加などを医師に提案
これらからわかったことは、薬剤師が継続的に患者と面談することで、有害事象の発現状況を早期に把握し、治療法の選択や各症状への対応について、専門知識に基づいた提案が可能になるということでした。
また、医師の診察前に薬剤師が面談することで、医師の診察後に実施するよりも、迅速かつ確実に有害事象への対応が可能になることが報告されていましたが、当院でも同様の結果が再現できました。
*本活動の詳細を論文化しています。
癌と化学療法 Volume 47, Issue 8, 1209 - 1212 (2020)
がん患者さんへの薬剤師介入状況
医師の診察前に薬剤師面談を実施しています。
[面談実施件数]
422件/523件(面談率 80.7%)
(2015年9月から2016年4月まで)
[患者さんへの介入状況]
・処方等提案件数:59件/422件(処方等提案率14.0%)
・提案受理件数:58件/59件(受理率98.0%)
(2015年9月から2016年4月まで)